Subtonic

ポルトガルのアバンギャルド・ギタリストRafael Toralの作品。オーバーダビングされたギター、
ベース、サンプラーによるドローンがメインに収められています。ギターらしいアタックの強い音
が聞けるのは3Trackめの「Aer 7 E」ぐらいで、その他の曲ではとても浮遊感のあるシンセ音の様な
サウンドが特徴の実験的音響作品です。
中でも1,5Trackの「Aer 4」「Ae 1」は共に約15分間にわたる、空気の隙間にまどろむような、と
ても柔らかく、美しいドローン。1日に一度はこういった音の中に身をおいて、心を落ち着けるのは
とても素晴らしいですよ。こういった長い尺の音というのは、時間の流れ方を意識的にコントロー
ルするための一つの手段であるような気もします。せわしなく動き回ることを余儀なくされる、今のような社会の中では こういった音楽は本当に貴重な存在だなと思います。